2000年の総統就任以来、六年間にわたって独占的な権力を行使してきた台湾民進党の陳水扁氏が、汚職をめぐるスキャンダルの責任を取る為に、彼の権力の一部分を他の党員に譲る、という発表を行ったとのことです。
これによって最も利益を受けると思われるのは、2008年の総統選に立候補すると見られている首相の蘇貞昌氏で、彼には中国への対応に関してよりプラグマティックな政策をとることが期待されています。しかし、陳水扁氏は全くの名目上の指導者(figurehead)になるわけではなく、安全保障や外交や対中関係のキー・エリアでは指揮力を維持するつもりのようです。
しかし党内では権力体制の変化に対する不安の声があり、また、さらなる汚職が明らかになれば国民党からの批判を免れず、陳水扁氏は権力を維持できなくなる可能性が高いようです。
[コメント]
発展途上の事件のようなので経過を待たなければなりませんが、台湾が中国からの独立を貫こうとすることに関係がある気もします。中国に統一されてから汚職が明らかになると、汚職に携わった人、あるいは党は厳重に処罰され、国民党と民進党は共産党に対抗する力を持つ事が出来なくなってしまうのではないでしょうか。
ちなみに、中台関係に関しては、もともと台湾では現状維持(実質上の中国からの自立)を望んでいる人が多いそうです。