フランス極右政党(国民戦線)の指導者、ルペン氏が、四月の大統領選では中道右派の分裂のために勝利できる、と発言しているという記事。
実際に、2002年の世論調査では9%だった彼の支持率は、今回は17%に達しているそうです。彼の目論見では、決定選(フランスでは最初の投票で過半数の支持者がいなかった場合、上位二名に対する二度目の投票が行われる)には彼自身と社会主義政党が残り、二つのラディカルな選択肢の中で彼は勝利できるだろう、ということです。
[コメント]
ルペンは移民排斥などを唱える極右政治家として有名です。フランスの暴動は、もう一昨年のことになってしまうようですが、逆効果であったようにも思われます。しかし一般的にこの記事のような報道がなされると、実際の投票では世論調査の回答とは別の選択肢を取る投票者が多くなるようなので、ルペンの目論見は外れる可能性も高いと思います。(ルペン自身がこうした発言をして、それが報道されたわけですから、自業自得とも言えますが)
"As in 2002, Mr Le Pen is finding it difficult to get endorsements because potential sponsors are put off by the stigma of publicly backing him.(2002年同様、ルペン氏は、潜在的な支持者は公然と彼を支持することによる汚名を避けるために、支持を得ることは難しいと考えている。)"という文が印象深かったです。投票には、投票者の実際上の利益だけでなくこうした人道的要素も反映されているということが、良いことなのか、良くないことなのか。